予定納税の減額申請は11月16日まで|個人事業者が11月に納める分を減らせる場合

年末の資金繰りに困ったら 予定納税の減額申請 第2期の期限は11月16日

個人事業者の予定納税は、11月16日(月)までに申請すれば、11月に納める分が減る場合があります。

対象は、予定納税の通知を受けていて、今年1年分の所得税の見込みが、通知書にある予定納税基準額を下回りそうな人です。売上が落ちた年だけでなく、扶養する家族が増えた年なども当てはまります。

先に結論

今年の所得税の見込みが、通知書にある予定納税基準額を下回りそうなら、11月に納める分(第2期分)の減額を申請できます。2026年(令和8年)の申請期限は11月16日(月)です。

申請しても、承認されなければ通知された金額を11月30日までに納めます。納期限が近づいてきても承認の通知が来ないときは、必ず税務署に確認するようにしてください。

7月に納めた分(第1期分)はこの申請では戻らず、翌年の確定申告で精算されます。

まず、1月から9月までの数字を締めて10月から12月の見込みを足し、去年の確定申告書のもうけ・控除と並べて、何が変わったかを確かめてください。基準日は10月31日時点ですが、基準日から申請期限までの期間が短いので、9月末時点で減額申請をするかどうかのおおまかな判断をすることをおすすめします。

予定納税は去年の税額で決まる前払い

予定納税は、今年の所得税の一部を7月と11月に前払いする仕組みです。金額は、原則として去年の確定申告で計算した所得税の額から、報酬などで天引きされた分を差し引いた額をもとに決まります。この額を予定納税基準額といい、15万円以上だと対象になって、その3分の1ずつを納めます。

6月には税務署から、予定納税基準額と7月・11月に納める額が書かれた通知書が届きます。金額は去年の数字で決まるため、今年の売上や家族の状況は反映されていません。

今年の税額が予定納税基準額を下回るなら申請できる

控除と天引き後の税額で比べる

もうけではなく、税額で比べます。今年1年分のもうけから所得控除(扶養や社会保険料など)を引いて所得税を計算し、そこから税額控除(住宅ローン控除など)と、報酬などから天引きされる見込みの所得税を差し引きます。この見込みの税額(申告納税見積額)が、通知書にある予定納税基準額を下回りそうなときに申請できます。7月・11月に納める額と比べるのではない点に注意してください。

控除が増えた年も対象になる

国税庁の「令和8年分 予定納税について」でも、所得控除や税額控除が去年より増える場合が挙げられています。たとえば次のような年です。

  • 扶養する家族が増えた
  • 医療費が多くかかった
  • 社会保険料や小規模企業共済の掛金が増えた
  • 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)が今年から始まった

もうけが去年並みでも、税額の見込みが下がれば申請できます。ただし、今年の税制改正で基礎控除が見直された分は、この見積もりに入れません。同資料によると、この分は確定申告のときに精算されます。

3割以上下がる見込みなら承認される

見込みの税額が予定納税基準額の10分の7以下、つまり3割以上下がると認められれば、申請は承認されます。

事業の廃止・休止・転換、災害・盗難・横領による損害、医療費の支払いなどが原因で税額が下がるときは、下がり幅にかかわらず承認されます。国税庁の取扱いでは、下がり幅が3割に届かなくても、結婚や生命保険への加入などで控除が増えたときのように原因がはっきりしていれば、承認するとされています。それ以外のときは、認められるかどうかは税務署の判断です。

10月31日の状況で見積もり、11月16日までに出す

期限は11月16日(月)

見積もりは、10月31日時点の状況で今年1年分について行います。申請書は11月16日(月)までに、納税地(ふつうは住所地)の税務署に出します。本来の期限は11月15日ですが、2026年は日曜日にあたるため、翌日が期限です。

期限を過ぎたら、通知どおりに納めて、翌年の確定申告で精算することになります。

申請書に計算の根拠を添える

使う書類は減額申請書で、正式な名前は「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の7月(11月)減額申請書」です。見込みの税額と、申請の理由を書きます。

申請書には、見込みの税額のもとになった売上や経費などを、取引の記録にもとづいて書いた書類を添えます。たとえば、月ごとの売上と経費をまとめた表です。申請書の様式と書き方は国税庁のホームページに載っていて、提出は書面のほか、e-Taxでもできます。

承認されなければ通知どおり納める

申請の結果は、税務署から通知されます。申請どおり認められるほか、一部だけ認められる場合や、認められない場合もあります。

承認されなければ、通知された金額を納めることになります。結果を待っている間でも、11月30日までに納めなければ延滞税がかかることがあります。月末が近づいても結果が届かないときは、税務署に確認しましょう。

検討すべきこと

申請しないと納めすぎた分が戻らないと思いがちですが、通知どおり納めても翌年の確定申告で精算されます。確定申告では1年分の税額から予定納税の額が差し引かれ、納めすぎていれば戻ってきます。

申請には、見込みの税額を計算して根拠の書類を添える手間がかかります。一方で、申請しなければ、納めすぎたお金は翌年の確定申告まで手元に戻りません。見込みの差が大きく、年末の資金繰りに響くなら、申請する意味は大きくなります。計算に迷うときは、顧問税理士に相談してください。

まとめ

予定納税は、去年の数字で決まる前払いです。今年の税額の見込みが予定納税基準額を下回りそうなら、11月16日(月)までに減額を申請できます。承認されなければ通知どおり11月30日までに納め、7月に納めた分は翌年の確定申告で精算されます。

参考資料

本記事は2026年(令和8年)9月時点の情報です。個別の判断は税理士にご相談ください。